masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

NHK ラジオ文芸館 いっぺんさん

今朝は曇り空で、最低気温が3.9度と寒い朝になりました。
起きてテレビをつけたら野球が流れてました。
高校野球がやっと終わったと思ったら・・・そんなにしてまで
重要なのかな。
土曜日はゆっくりテレビが見れるので、東北の復興を放送して欲しいです。
野球はBSか民放で放送すべきです。
さて今日のラジオ文芸館は朱川さんの短編小説で、ホラーとよく言われて
ます。

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作:朱川 湊人 「いっぺんさん」

子どもの頃、私としーちゃんは、祖母のふるさとの村にある小さな
祠(ほこら)を自転車で訪ねた。たった一度だけ願いを叶えてくれると
いう「いっぺんさん」に、願い事をするためだ。
だが、しーちゃんはまもなく亡くなってしまう。
「もう一度しーちゃんに会いたい」私は一人で「いっぺんさん」の
祠に出かけてお願いをした。
しかし、やがてその願いを放棄せざるをえない出来事が起こる…。

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きっとしーちゃんは、自分の病気が治ることなんて、
これっぽっちも望まなかったのだ。
家族が幸せになりますように――きっと、しーちゃんの最終的な願いは、
白バイ警官でも早く大人になることでもなくて、
その一事だったに違いない……
しーちゃんは優しくって、バカだから。   
主人公の少年の祖母が昔住んでいた、今は廃村となっている村には、
いっぺんさんと呼ばれる神様の祠があった。
三十年前、小学生だった「私」が祖母から教えてもらった、
どんな願いでも一度だけなら必ず叶えてくれるという神様
「いっぺんさん」。
当時の「私」の親友、やることなすこと間が抜けたクラスの問題児、
お調子者の「しーちゃん」の切実な願いを「いっぺんさん」に叶えて
もらうために、遠く離れた村まで山を越え、自転車を走らせた
「しーちゃん」と「私」。
運良く「しーちゃん」の願いは神様に届いたようで、夢が叶えられる
と喜んだ矢先に「しーちゃん」が病気で倒れてしまい…帰らぬ人に。
親友のしーちゃんは将来警察官になりたいのだが、お父さんに
刑務所歴があって、それが原因で夢がかなわないのではないかと
気を落としていた。
「いっぺんさん」は亡くなった人は蘇らすことは出来ない、と主人公は
わかっていたけど、その祠の近くにあった石をお守りにしていた。
ある日家族で出かけ、弟がはしゃいでいて柵から転落して頭を打って
大変なことに。
父親は急いで病院に運ぼうとするけど、大渋滞に阻まれて万事休す。
主人公は、しーちゃんより弟を助けてと願ってしまう。
そこへ白バイが現れて、父親が必死で呼び事情を説明する。
白バイの先導で病院に無事到着する。
玄関の前にはストレッチヤーとスタッフが待機してた。
白バイは消えていた。
もしかして、白バイはしーちゃんかも。