masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

ラジオ文芸館 この子誰の子

今朝のラジオ文芸館は宮部みゆきさんの「この子誰の子」でした。
AIHの子供は良いでしょうけど、AIDの子供は辛いです。
私はある意味、両親のエゴとも思います。
生まれた子供は死ぬまで、自分の父親がわからず、まさしく「この子誰の子」
です。戸籍の便宜は図られるでしょうけど・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作:宮部 みゆき

中学生の男の子が一人で留守番をしている家に、
突然、赤ちゃんを連れた女性が訪ねてくる。
そして、いきなり上がりこみ、私はあなたのお父さんの恋人、
この子はあたしと彼の子と告げる。
明日にならないと両親は戻らない。
大雨のなか、赤ちゃん連れの女性を追い出すわけにもいかず、
一晩泊めることになる。
しかし、男の子には「絶対に父さんの子ではない」という確信があった。
それはなぜなのか…?
男の子の出生の秘密とともに明らかになる女性の素性、
日常のなかに潜むさりげなくも重大な秘密と優しさに包まれる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

両親が親戚の結婚式で、不在のある雷雨の激しい夜の9時すぎ。
留守番をしていたサトシを,赤ん坊を連れて一人の女性が訪ねてくる。

女性の名は,美里恵美。赤ん坊の名は,美里葉月(5月5日生まれ)。
女性曰く,この赤ん坊はサトシの父,道夫の子供であるという。
両親がいないのであれば,話にならない。
帰ってくるまで待たせてもらうと恵美は言います。
恵美の言動を不審に思いつつも,小さい赤ん坊を連れている女性を,
雷雨の中に放り出すことも出来ず,
サトシは結局女性と赤ん坊と一緒に一晩過ごすことに。
その晩,恵美がお風呂から上がり、髪を乾かしてる時、
サトシはふとしたことから恵美のバックからこぼれ落ちた
3枚の写真の中に奇妙な1枚の写真を見つけます。
"葉月はあなたの妹"だと主張する恵美ですが,サトシは
自分に兄妹がいるわけがないと確信しています。
そんな中偶然見つけた奇妙な写真。
1枚はさとしの両親、もう1枚はサトシ自身の写真。
そして、もう1枚はサトシに似た男性の写真。
この写真が後々重大な意味を持って来ることになります。
恵美がサトシの家を訪れた本当の理由とは?サスペンス仕立てで展開していく
夜が明けて、サトシの両親から空港に着いたら電話が掛って来る、
とサトシから聞いた恵美は、電話が鳴るたびに様子がおかしくなる。
結局、サトシの両親が帰る前に恵美は帰ってしまう。
その後、写真と同時に見た運転免許証の住所から、サトシは恵美の家を
訪ねる。
そこでわかったことは、サトシはAIDで、今の父親との血のつながりが
ない。でも、そのことはサトシは知っていた。
サトシが交通事故で輸血が必要な時、サトシの両親と医師の会話を聞いて
父親との血のつながりがないと。
恵美はそのことは知っていたのです。
なぜなら、サトシのAIDで使われた精子は、恵美の亡くなった旦那のものでした。
恵美は看護婦で旦那は医師でした。
恵美が子供を授かったころ、旦那が亡くなったのです。
恵美の子供の葉月はサトシと腹違いの兄妹なのです。
恵美の心情を察すれば、恵美の行動がどこか切なくも,心にじ〜んとくるものが
こみ上げてくるものがあります。
実際はAIDの情報はわからないようになってるはずです。