masami71の日記

熊本市在住の68歳の年金暮らしです

安倍さんの答弁 二転三転曖昧

安全保障関連法案は衆院で116時間の審議を重ねたが、議論が深まったとは言い難い。
どんな状況なら集団的自衛権を行使できるかという基準は曖昧なままで、
法案が違憲か否かという根本的疑いも解消していない。
自衛隊員のリスク論でも政府の説明は二転三転しており、はっきりしない。衆院で積み残した論点を整理する。

■食い違う答弁
法案が成立すれば、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃され、日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合、集団的自衛権が行使できる。
安倍晋三首相が具体例として挙げるのが、主に朝鮮半島有事の際の米艦防護と中東・ホルムズ海峡での機雷掃海だ。
米艦防護では、どの段階で「明白な危険」を認定するのか曖昧だ。
首相は、日本のミサイル防衛や邦人輸送に従事している米艦に「ミサイルが発射された場合」は存立危機事態に当たる
といったん答弁しながら、その後「ミサイルが発射される明白な危険がある場合」と修正した。
相手国の意思についてもずれがある。
首相は「東京を火の海にする」などの意思表示が要件の一つになるとの考えを示したが、中谷元・防衛相は「わが国を攻撃する意図が認定できなかったとしても存立危機事態に認定できる」と答弁し、食い違っている。
ホルムズ海峡の機雷掃海も、首相は集団的自衛権行使の象徴と繰り返しているが、横畠裕介内閣法制局長官は「個別的自衛権の発動で処理することはあり得る」と答弁している。

■「つまみ食い」
安保法案は違憲か合憲か。6月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の長谷部恭男早大教授ら憲法学者3人が「違憲」と指摘して以降、法案の根幹は揺らいだままだ。
政府が合憲と主張する根拠は「必要最小限度の武力行使」を認めた1972年の政府見解。この見解は結論部分で「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としたが、政府は今回、「行使は許される」と逆の結論を導き出した。
72年当時と比べ「安全保障環境が根本から変わり、他国への攻撃でも日本の存立を脅かすことが起こりうる」と主張。
必要最小限度の武力行使の範囲に限定的な集団的自衛権は入る、と解釈したためだ。
しかし、憲法学者から「都合のいいつまみ食い」と違憲の指摘が相次ぐ。合憲か違憲かの議論は平行線をたどっている。
■安全性を強調
法整備によって自衛隊の海外での活動は拡大するが、首相は「自衛隊員のリスクが高まるとは考えていない」と断言。
それどころか、「リスクはむしろ下がる」とまで発言している。
だが、法案は他国軍への後方支援について、自衛隊の活動中に戦闘地域にならないと見込まれる従来の「非戦闘地域」の考えを撤廃し、「現に戦闘が行われている現場以外」に活動範囲を拡大した。
弾薬の提供や発進準備中の戦闘機への給油も解禁し、兵たん活動も認める。
首相は、戦闘が起きれば「任務を中断し、すぐに退避させる」と安全性を強調。
これに対し、野党は「非現実的だ。後方支援は兵たんであり、敵から狙われる危険性が高い」と反発する。
=2015/07/17付 西日本新聞朝刊=