masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

日銀は大株主(1)

特集日銀が株主 ETF購入の功罪

東京株式市場では、この1か月余り、株価の動き方が大きく変わりました。
その主役は日銀。
7月末にETF=上場投資信託と呼ばれる金融商品の買い入れ額を一気に2倍に増やす追加の金融緩和策を決めたことが、今の“ETF相場”を呼び起こしたのです。
中央銀行が、株式を組み込んだ金融商品を購入するという世界的に見ても異例の政策は、株価を下支えする一方で、弊害や将来のリスクも懸念されています。何が問題なのでしょうか。
(経済部 大江麻衣子)

日銀ETF買い入れの歴史
「きょうは日銀はETFを買ったのか」
この情報が、株式市場を大きく動かしています。
ETFは、複数の企業の株式を組み合わせた金融商品で、個別企業の株式のように市場で売買されます。
日銀が購入しているETFは、日経平均株価などの株価指数に連動して値動きするタイプです。
日銀がETFの買い入れを始めたのは6年前。
金融市場の安定を図ることを理由に、年間4500億円の枠が設けられました。
その後、大規模緩和を掲げた黒田総裁のもと、年間の買い入れ額は、1兆円、3兆円と相次いで上積みされ、ことし7月には、年間6兆円にまで拡大されました。

ETF相場”の実態は
「年間6兆円」という新たな方針に基づいて、日銀が初めてETFを購入したのは8月3日。347億円を買い入れました。
その後、1日当たりの買い入れ額を707億円に増やし、4日、10日、25日、26日と立て続けに購入します。そこからは、ある傾向が見てとれます。
いずれも、日経平均株価が午前中は値下がりして終わっているのです。
このため、多くの市場関係者は「午前中の値動きがマイナス傾向の日の午後に、日銀はETFを買い入れている」と見ています。
日銀の買い入れ実績を公表するのは、その日の夕方なので、株式の取引時間中には日銀の動きを知ることはできません。
このため、「日銀がETFを買ったのではないか」「株価は上昇に転じるのではないか」という観測が広がることで、さらに株価を押し上げる“効果”もあります。
結局、8月の1か月間で日経平均株価は318円上昇。
1日の下げ幅は最大でも308円にとどまり、市場関係者は「日銀のETF購入が株価を下支えしている」と評価しています。
日銀の1日当たりの買い入れ額は、9月に入ってさらに増えて733億円に。
今や、日銀が保有するETFは市場全体の半分近くを占めています。