環境省レッドリストの絶滅危惧2類に分類される貴重な植物、オグラセンノウを保護するための草刈り作業が8日、熊本県南小国町の保護区であった。
自動車部品メーカー「アイシン九州」(熊本市)などグループ3社の社員ら23人が参加し、生育を阻害するヨシなどを刈り取った。
オグラセンノウは湿原に生育する多年生草本。1903年に熊本県の阿蘇で採集された標本に基づき、牧野富太郎氏が新種として記載した。
この際、古書である本草図説に掲載されていた植物に当てはめ、オグラセンノウの名を付けたようである。
その後、1921年に岡山県の哲西町で採取された標本に、サワナデシコという名が付けられたが、その後オグラセンノウと同一種であることが判明した。
オグラセンノウの分布は、熊本県阿蘇地方と岡山県北西部から広島県の北東部にかけての狭い地域である。