熊本城宇土櫓に隣接する続櫓下の石垣に、ふくらみや崩落を防ぐための新たな石垣が設置される方針です。
２日、熊本市からその補強案が示され議論が交わされました。
【郡司琢哉アナウンサー】
「熊本城で最も高いと言われる宇土櫓下の石垣です。この場所に石垣を補強するための新たな石垣の設置が検討されています」
熊本城宇土櫓に隣接する続櫓下の石垣は、熊本地震後の調査で「きわめて不安定」と診断されていて、宇土櫓はすべて解体されて修理する方針が決まっているほか、石垣についても解体・積み直しの範囲が検討されてきました。
熊本市では、石垣のふくらみや崩落を防ぐための伝統的な補強工法『はばき石垣』を用いて補強する方法を検討してきました。
２日の熊本城の復旧を検討する委員会で、熊本市が複数の補強案とそのイメージ図を公表しました。
例えば、石垣の勾配を既存のものと同じに固定し、内部をコンクリートにした場合
天板部分は幅１０メートルあまりに。
また、新たに設置する石垣を空堀の西側まで拡張した場合天板部分は４．５メートルとなります。
委員からは
【熊本大学名誉教授 山尾 敏孝委員（土木工学）】
「コンクリートを入れるんだったら（より重いものを入れれば）厚さを抑える工夫は可能」
【東北芸術工科大学教授 北野 博司委員（考古学）】
「はばき石垣の趣旨を脱してしまっているような構造物」
熊本市では、これらの議論も踏まえたうえで設置方法を検討する方針です。
