masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

根絶寸前~宇土半島のタイワンリス

世界でも例がない封じ込め 分布拡大に「ふれあい動物園」 <根絶寸前~宇土半島タイワンリス>㊤

熊本県宇土半島宇城市宇土市)に生息している外来種タイワンリスの根絶が、目前に迫っている。

数千匹まで増えたタイワンリスの防除が成功した地域は世界でも例がなく、封じ込めは「宇土半島モデル」として注目される。
地元住民や専門家らによる防除活動の歩み、外来種を巡る課題を考える。
5月下旬、宇城市三角町の山を上っていくと、樹皮を横方向にはがされた傷だらけの樹木が見えた。
「これが環状食痕[しょっこん]」。宇土半島タイワンリスの防除活動をけん引してきた森林総合研究所九州支所(熊本市)の森林動物研究グループ長・安田雅俊さん(53)がホルトノキを指した。
タイワンリスが樹液をなめるためにかじった跡だ。上へ目をやると、目視できる限り無数の食痕が続いていた。
タイワンリスは腹が栗色であることから、クリハラリスとも呼ばれる。
体長は約20センチで、同じくらいの長さの尻尾。
重さは約350グラムで、果物や昆虫、鳥類の卵など何でも食べる。繁殖力が強く、最大で年に3回、平均2匹を産む。

タイワンリスが樹液をなめるためにかじった環状食痕=宇城市
リスの生態に詳しい同研究所多摩森林科学園(東京)の田村典子さん(61)によると、タイワンリスは台湾をはじめ中国南部、インドシナ半島マレー半島など東南アジアに広く分布。
イタリアやフランスなどにも外来種として定着している。
国内では1930年代、台湾から東京都の伊豆大島の動物園に持ち込まれ、逃げた個体が野生化した。
現在は伊豆大島のほか神奈川県や茨城県静岡県などに分布。
伊豆大島と神奈川県は10万匹もの生息が推定されている。
九州では宇土半島のほか、大分県の高島、長崎県壱岐島福江島に定着。最近では、大分県別府市タイワンリスとみられる個体が監視カメラに映っていることが発覚し、県などが実態把握を急いでいる。