masami71の日記

熊本市在住の68歳の年金暮らしです

ラジオ文芸館 森絵都作 「母の北上」

今朝のラジオ文芸館は森絵都作 「母の北上」でした。
森絵都「異国のおじさんを伴う」第9話「母の北上」で、タイトルの意味が
全然わかりませんでした。
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  「母の北上」        作:森絵都
父が死んでから、僕が実家に帰るたびに母の拠点が少しずつ移動している。
母はいつの間にか北側のダイニングテーブルの椅子で1日を過ごすようになり、その後、隣接する8畳間へ拠点を移した。
そして父の死後2年たった今年の正月、母はついに北側の物置代わりの小さな
和室にまで北上していた。
長男の僕はその理由を父の不在にあると思っているのだが、果たしてその本当の理由は・・・。  
語り:岩槻 里子
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主人公の「僕」は結婚していたこともあり、2年前に父親が亡くなってからというもの、あまり実家に寄りつかない生活を送っていました。
結婚3年目になるが、妻のあすかは母と折り合いが悪い。
あすかは実家の人たちと温泉で正月を過ごしている。
そしてたまに実家に帰省すると、母親の生活拠点が北へ北へと移動していることに気付きます。
陽当たりも居心地も良いリビング・ダイニングが母の定位置だったのに、父が死んでからはその北にある洋間を定位置にし、とうとう今年の正月には家の北端にある、
かつては物置代わりだった狭い和室まで移動していました。
「僕」がリビングへ移動しようとすると、母に止められ、入れてくれません。
しばらく外出していた「僕」は、ある仮説を思いつき、再び実家に戻りました。
その仮説というのは、「リビングやダイニングには父親との思い出の品が溢れ返っており、それを見るのが辛いから逃げているのではないか、というものでした。
趣味も持たず、ただただ悲しく独り身を浪費しているのではないかと。
そんな母を説教してみた。
母は僕を家電店に誘った。
僕が母親に連れて家電ショップへ行くと、母親はそこで蛍光灯や電球をいくつも買いました。
つまり母の北上は、単に切れた電灯を付け替えできないから、つぎつぎに部屋を移っただけだったのです。
実家の天井が高いせいで電球が切れても交換できなかったのです。
普段使わない部屋ほど、電球が切れるのは遅くなりますからね。
僕はそれを知って、狼狽した。
母には母の世界があった。
「けんさん」は水中ウォーキングで知り合った人で、けんさんがルーフバルコニーの植物を相談に乗ってくれそうだ。
僕は惚気話を聞かされることになったのでした。
母は母でちゃんと現実を見据えて、明るく生きていた。
僕はちょっと唖然として、ホッと安堵した。