2021/5/10 20:00 (JST)5/11 08:35 (JST)updated
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苗の植えつけが進む草原に囲まれた扇棚田=産山村
日本棚田百選の一つで、国の重要文化的景観にも選ばれている熊本県産山村の扇棚田で10日、田植えがあり、草原に囲まれた三日月状の水田に緑色の苗の点線が描かれた。
扇棚田は阿蘇五岳とくじゅう連山の間に位置し、標高は約820メートル。
約250年前に開墾されたとされ、約2ヘクタールに大小16枚の水田が広がる。
1・3キロ上流にある県の名水百選の山吹水源から水を引いている。
この日、同村の佐藤高弘さん(43)は父正博さん(70)と共に、管理する8枚(計80㌃)にコシヒカリを植え付けた。
15年ほど前に有機農産物の日本農林規格(JAS)を取得し、農薬や化学肥料を使わずに栽培。
肥料は菜種油かすを使い、雑草は専用の除草機や手で抜いている。
安全安心なコメ作りを目指す高弘さんは「除草は大変。収穫は9月中旬頃になりそう」と黙々と田植え機を操っていた。(植山茂)