masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

球磨川河口のシギやチドリ <KUMAMOTOとりさんぽ>


球磨川河口のシギやチドリ <KUMAMOTOとりさんぽ>
子育て終えて南へ旅
熊本日日新聞 | 2023年9月16日 08:00


水先案内人のアオアシシギ
 潮しおが引ひきはじめた球磨川河口くまがわかこうに立たつと、広大こうだいな干潟ひがたが現あらわれ始はじめました。耳みみをすますと「チョーチョーチョー」とかん高だかくて涼すずしげな鳴なき声ごえが聞きこえてきます。ハトくらいの大おおきさのアオアシシギが、寄よせては返かえす波なみの浅瀬あさせを青あおっぽい長ながい足あしで走はしりまわっています。潮風しおかぜに心癒こころいやされながら鳴なき声ごえの方ほうを見みていると、波打なみうち際ぎわをどのシギよりも先さきに走はしって餌えさをとる姿すがたは、まるで水先案内人みずさきあんないにんのようです。わせて読みたい
 

手前てまえに目めを移うつすと、ヒヨドリより少すこし小ちいさなシギたちが餌えさを探さがしています。望遠鏡ぼうえんきょうでのぞくと、長ながめの口くちばしが上うえにそったソリハシシギです。太陽たいように照てらされて銀色ぎんいろに輝かがやく体からだはスマートで、短みじかい足あしを大股おおまたにして歩あるきながら、餌えさをすくいとるように捕とらえます。

 

そこへ少すこし体からだが大おおきくて丸まるい、キアシシギもやってきました。名前なまえの通とおり足あしが黄色きいろで、口くちばしは硬かたそうに見みえます。ところが私わたしは、調査ちょうさでシギを手てにしたときに、口くちばしはやや硬かたいゴムのようで上下じょうげに曲まがる柔軟性じゅうなんせいがあることに気きづきました。その驚おどろきとともに、見みた目めだけで判断はんだんしてはいけないことを学まなんだことを今いまでも覚おぼえています。

頭から腹に黒いラインがあるダイゼン(夏羽)

体全体が白いダイゼン(冬羽)

 さて、5月がつの「とりさんぽ」で、シギやチドリたちは春はるに南みなみから北きたに移動いどうする途中とちゅうで日本にほんを通過つうかすると紹介しょうかいしました。これから秋あきに見みかける「シギチ」たちは、逆ぎゃくに北きたの大地だいちで子育こそだてを終おえて南みなみの国くにへ帰かえる旅たびの途中とちゅうで海岸かいがんに立たち寄よります。そのシギチは、体からだの色いろや形かたちが似ににている上うえに、春はるの夏羽なつばねと秋あきの冬羽ふゆばねでは色いろまで違ちがうものが多おおくて惑まどわされます。チドリの仲間なかまのダイゼンは、秋あきになると夏羽なつばねの黒くろいラインがなくなり、白しろっぽい冬羽ふゆばねに変かわります。なかなか難むずかしいですが、1種しゅずつ時間じかんをかけて覚おぼえるしかありません。また、海うみは満みち潮しおと引ひき潮しおがあるので、観察かんさつは潮しおが引ひき始はじめて干潟ひがたが現あらわれ始はじめる時ときをねらいます。すると、そこにシギチたちが飛とんできて餌えさをとります。くれぐれもおどかさないように観察かんさつしてください。