masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

絵本の時間 「グランパ・グリーンの庭」

今朝の落合恵子さんの絵本の時間は「グランパ・グリーンの庭」でした。

作 ; レイン・スミス 訳 ; 青山 南
装丁 ; タカハシデザイン室 発行 ; BL出版
36P. 23×29cm 定価 ; 1.600円+税

グリーンおじいちゃんは農場でそだった。高校をでると、兵士になった。
結婚して、子どもができて、ひ孫もできた、つまり、ぼくだ。
いま、おじいちゃんは庭師でトピアリー作りの名人。ときどき、いろんなことをわすれるけれど...。
トピアリーにうつしだされたおじいちゃんの人生を、ひ孫のぼくがたどります。
家族の歴史、そして老いるということが、あたたかいまなざしで描かれています。
繊細で大胆、レイン・スミスの新しい世界。素晴らしい青山 南さんの日本語訳がつきました。


おじいちゃんの庭の、おじいちゃんに刈りこまれた植木たちは、おじいちゃんの人生を語る。
木々は、おじいちゃんの思い出の姿に整えられているのです。
赤ちゃんだったおじいちゃん、一緒に育ったぶたや野菜たち、
将来の夢を描くけれども、無理やり曲げなければならなかった。
それを語る植木は、横を向いて伸びる・・・

庭の植木たちは、おじいちゃんの人生の物語を、姿で語ります。
おじいちゃんの庭はいきいきと、呼吸をしているようです。
にぎやかに全ての時のおじいちゃんたちが爽やかな緑の姿で語らい合っているようだ。

わたしを、この庭の奥へ奥へと案内するのは、おじいちゃんのひ孫。
最初、この子が何をしているのかわからなかった。
カートを引っぱって、せっせせっせとなにをしているのか、わからなかった。

ときどきいろいろなことを忘れるようになったというおじいちゃんですが、
ひ孫は「でもだいじょうぶ」と言います。
わたしも「大丈夫」を知っています。
だって、このひ孫にわたし、ついてきたんだもの。
沢山の時代のおじいちゃんの思い出たちは、ひ孫の手にゆだねられる。
おじいちゃんの庭は、ひ孫の庭に続いていく。


レイン・スミス   Lane Smith
1983年、カリフォルニアの美術大学を卒業。
絵本作家、イラストレーターとして多方面で活躍。現在、妻モリーと共にコネチカット州に住んでいる。
『くさいくさいチーズぼうや&たくさんのおとぼけ話』でコールデコット賞を受賞。ほかに『ヒヤシンスひめ』
『これは本』など多数。

青山 南   Aoyama Minami
1949年、福島県生まれ。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。
翻訳絵本は『たのしいホッキーファミリー』『算数の呪い』『商人とオウム』
『まっかなちっちゃいきかんしゃのぼうけんシリーズ』『ラストリゾート』『これは本』など多数。