2020/4/9 09:38 (JST) ©株式会社熊本日日新聞社
2016年4月の熊本地震で被災し不通となったJR豊肥線の肥後大津
(熊本県大津町)-阿蘇(阿蘇市)間27・3キロの列車運行が今年8月をめどに再開する見通しになった。
関係者への取材で8日、分かった。
国と県、JR九州が17年以降、線路沿いで崩壊した斜面の復旧や砂防工事を進めており、今年秋の運行再開を目指していた。
地震発生から間もなく4年。熊本地震によるJR九州の被災路線で、最後の不通区間の再開時期が明らかになり、国や地元は生活再建とともに、将来の観光客呼び戻しにつなげたい考え。
豊肥線の復旧工事では、土砂が崩落した山の上部を国、中腹を県、鉄道設備をJRがそれぞれ担当し、調整に時間がかかるケースもあり難航した。
JR九州によると、3月末時点で土木設備の復旧は9割完了した。
JR九州は、鉄道軌道整備法に基づき、大規模災害の復旧費用の補助を国や県に求めている。
同法は、黒字企業でも赤字路線なら補助を受けられるよう18年に改正されており、今年3月に適用が決まった。
豊肥線は熊本県と大分県を結ぶ東西148キロの路線。
不通区間に含まれる南阿蘇村の立野駅付近では、急勾配を上るため列車を方向転換してジグザグに進む珍しい「スイッチバック」がある。