熊本市電 クレカ決済利用率はわずか1% 廃止予定の全国交通系ICカードは50.5%
熊本市電、再来年4月から全国交通系ICカードを廃止し、クレジットカードなどでの運賃支払いに切り替えるとしています。熊本市電ではクレジットカード決済をすでに昨年度導入していますが、その利用率はわずか1%と低迷していることが分かりました。
【街の人】
「クレジットでしょ?使わない。面倒くさい」
【街の人】
「基本的にはSuica。交通系ですね。クレジットカードは持っているけど基本的に使わない」
熊本市交通局によりますと、昨年度の熊本市電における運賃の支払い方法は全国交通系ICカードが50.5%と最も多く現金が22.9%、次いでくまモンのICカードが12.6%。去年4月から本格導入されたクレジットカードでの決済はわずか1%にとどまっています。
しかし再来年の4月からは機器の更新のため、市電の運賃を支払う際に全国交通系ICカードが使えなくなり、現金やくまモンのICカード、クレジットカードでの決済のみ利用できる方針です。
【街の人】
「他の県で使えて熊本で使えないのは悲しい。(全国)ICの方が使いやすいかな。なんとなく」
【福岡から来た人】
「県内で還元されるのはいいと思うが福岡から来るとなると『県内限定』で設定しているものでは不都合、いやだな」
【街の人】
「Suicaだったらお金を入れない(チャージ)といけないからクレジットカードの方が楽かもしれない」
市交通局は、再来年度の切り替えまでに新たな決済方法を浸透させたいとしています。
【熊本市交通局 総務課 吉岡 秀一 課長】
「利用方法もカードだけでなく(登録すれば)スマートフォンからも利用できることも含めてぜひ一度、利用してもらえるようにキャンペーンを実施して使い勝手の良さを実感してもらえたらと思っています」
また、市交通局は市電開業100周年に向けてあさっての始発から終電を対象にクレジットカードで運賃を支払うと半額になる事業を行うということです。
一方、県内のバスや熊本電鉄電車も『Suica』など全国交通系ICカードを年内に廃止して、今年度中にクレジットカードなどのタッチ決済が導入される予定です。
いずれの事業者も全国交通系ICカード廃止の理由は機器の更新費用が高額なことを挙げています。
このうち市電については市議会から「バスと電鉄電車の新システム稼働後、状況を確認したあとに、利用者目線で導入の議論をすべきではないか」という声も上がっています。