熊本市電「顔パス」実験へ 23年度、市交通局 乗り降りスムーズに

熊本市電「顔パス」実験へ　23年度、市交通局　乗り降りスムーズに

熊本日日新聞 | 2023年1月4日 10:03
顔認証システムの導入が検討されている熊本市電の車内。
実証実験ではタブレット端末による識別方法が採用されそうだ
熊本市交通局が市電に顔認証システムを導入し、乗客が「顔パス」で乗り降りできる仕組みを検討していることが3日、分かった。
2023年度に路面電車では全国初となる実証実験を始め、使い勝手の良さが確認できれば本格採用する方針だ。

顔認証技術は近年、スマートフォンやパソコンのロック解除、ホテルのチェックイン、オフィスビルの入退室管理など多様な分野に拡大。
公共交通ではJRの駅改札やコミュニティーバスでの活用に向け、各地で実証実験が進んでいる。
市交通局の実証実験はスマホのアプリを活用したモバイル定期券の利用者からモニターを募って実施。
スマホで撮影した顔写真の画像データを事前に登録してもらい、車内に設置したタブレット端末で乗客の顔と自動照合する方式を検討している。
乗客は降車時にスマホのモバイル定期券を提示する必要がなくなる。
「顔パス」になることでより円滑に乗降できるようになるとみており、市交通局は「デジタル技術の進展で、将来は定期券を使わない市民や観光客も顔認証を利用できるようになるのではないか」と期待している。
一方、同局は23年度、市電の開業100周年となる24年度に初めて導入予定の3両タイプ2編成の製造を始める。
輸送力の強化が狙いで、乗車定員は今ある2両タイプより40人多い120人。
熊本城をモチーフに黒と白のシンプルなデザインにすることを決めた。（久保田尚之）