三菱電機、熊本・菊池にパワー半導体の新工場を建設…2026年4月に稼働予定
2023/03/15 09:30
三菱電機が熊本県菊池市に建設する新工場の完成イメージ=同社提供
三菱電機は14日、熊本県菊池市の生産拠点に、電力制御に使うパワー半導体の新工場を建設すると発表した。
約1000億円を投じて生産能力を増強し、2026年4月に稼働を始める予定だ。
電気自動車(EV)向けに市場拡大が見込まれており、今回の工場建設を含め、パワー半導体の設備投資額を21~25年度に計約2600億円と従来計画から倍増させる。
新工場は、生産を終了する液晶関連の工場を転用する。
次世代素材の炭化ケイ素(SiC)を使った省電力のパワー半導体で、ウェハーの大口径化(8インチ)に対応し、徹底した自動化により生産効率を上げる。
このほか、主力工場のパワーデバイス製作所(福岡市)で、組み立てや検査など「後工程」を集約するため生産棟を約100億円かけて建設する。
パワー半導体は省エネ機器に欠かせない半導体で、エアコンや高速鉄道車両などで使われており、三菱電機は世界で高いシェア(占有率)を誇っている。
熊本県内では、半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の進出に伴い、半導体関連工場の新増設が相次いでいる。