masami71の日記

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熊本県立高の朝課外廃止、思わぬ余波!? 通勤と重なり列車混雑

熊本県立高の朝課外廃止、思わぬ余波!? 通勤と重なり列車混雑 〝時差通学〟強いられる生徒も
熊本日日新聞 | 2023年6月16日 08:00



列車に乗り込む高校生や会社員で混み合うJR鹿児島線西熊本駅の上りホーム=5月29日、熊本市南区
 熊本県立高で長年続いてきた「朝課外」が昨年度末に全面廃止されたことに伴い、新年度から思わぬ余波が生じている。朝課外に合わせて早めに通学していた高校生たちが、4月からは始業に合わせて1時間程度遅めに登校。通勤時間帯と重なることから列車が混雑し、熊本市内では〝時差通学〟を強いられる生徒も出ている。

 5月下旬の午前7時半、JR鹿児島線西熊本駅の上りホーム。スーツ姿の会社員に交じり、高校生がずらりと並んでいた。しかし、到着した列車はすでにぎゅうぎゅう詰め。生徒らはわずかな隙間に足を入れ、体をねじ込むようにして乗車した。

 九州学院高1年の女子生徒は入学式翌日の初登校で列車に乗れず、1本遅らせた結果、初日から遅刻する事態に。「乗り慣れておらず、満員電車に戸惑った」といい、今では2本早い列車に乗っている。

 松橋駅から熊本駅まで利用する第一高2年の女子生徒は昨年度、午前7時半開始の朝課外に合わせて同6時18分発の列車に乗っていたが、4月からは1時間遅らせた。「昨年はがらがらで座れたけど、今は全く座れない。人が多すぎて通学で疲れてしまう」と苦笑する。昨年度と同じく宇土駅を午前7時台に出発する真和高2年の女子生徒も「明らかに高校生が増えて車内の密度が上がった。隣の人にひじが当たりそうで、本も開けない」と肩をすくめた。

 熊本市電も混雑している。健軍町-新水前寺を利用する九州学院高3年の男子生徒は「4月以降、満員で乗れずに2本遅らせたこともある」とこぼした。

 JR九州熊本支社によると、コロナ禍前の2019年度と23年度を比較すると、県内の始発から午前7時台の乗車率はマイナス4・0ポイント~プラス9・0ポイント。列車によっては1割増えているが、「駅ビルの開業などもあり、朝課外の廃止が影響しているかどうかは分からない」と同支社。

 一方、熊本市内のJRと市電の沿線にある公私立高10校に聞いたところ、JRや市電を利用している生徒はそれぞれ3~4割ほど。合わせると、少なくとも3千人以上が利用している計算だ。そのうち朝課外を廃止したのは選択制にした私立を含め3校。県庁や熊本市役所の始業は午前8時半で、この周辺だけでも通勤と重なる時間帯に千人弱の通学生が移ってきたことは間違いなさそうだ。

 JRも熊本市交通局もダイヤや車両編成の見直しは検討しておらず、同支社は「ドア付近に立ち止まると、後から来たお客さまが乗りにくい。なるべく奥まで詰めてほしい」と呼び掛ける。(元村彩)