南阿蘇鉄道が熊本地震から7年3カ月ぶり全線で運転再開へ
2023.07.14 18:30
熊本地震で大きな被害を受け一部区間で運休が続いていた南阿蘇鉄道が15日7年3カ月ぶりに全線で運転を再開します。地震で被災した交通インフラはこれで完全復旧となり、沿線の住民や観光関係者はにぎわいの復活に期待を寄せます。
【南阿蘇鉄道 内川聖司さん】
「やっとこの日が来たか、と。地元の人からすると『日常が返ってくる』という
感じではないか」
15日の全線再開を前に高森駅では14日運転士が車両の点検や清掃に汗を流していました。
高森駅と立野駅の17.7キロを結ぶ南阿蘇鉄道。2016年4月の熊本地震で
線路が流失したほか、鉄橋が損傷するなど大きな被害を受け、一時、全線で運休に…。その後、高森と中松の一部区間で運転を再開しましたが、特に被害が大きかった中松と立野の間については第一白川橋梁の架け替え工事など災害復旧に時間を要しました。
全線再開までいよいよ『あと1日』。
この日を待ち続けた立野駅前の饅頭店の店主の思いもひとしおです。
【ニコニコ饅頭 高瀬大輔さん】
「ドキドキしている。あすは張り切って早起きして頑張りたい」
観光関係者も期待を寄せています。
【高森観光推進機構 事務局長 井上真希さん】
「阿蘇の観光にとっても一番魅力的なツールになる南阿蘇鉄道なので、それを生かして私たちはいろんな魅力を発信していきたい」
南阿蘇鉄道は15日から平日は1日11往復、休日は14往復運行し、このうち通勤、通学の時間帯の2往復についてはJR豊肥線・肥後大津駅に乗り入れます。
始発列車は午前6時に高森駅を出発。15日は、限定の入場券やフリーパス、記念グッズなども販売され、地元はお祝いムードに包まれそうです。
【始発列車を運転する寺本 顕博さん】
「もう感無量と言うしかない。(喜びを)かみしめて運転したい。沿線の地域と鉄道の楽しさを知りに(鉄道に)乗りに来てください」