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熊本地域の地下水量「琵琶湖の水の3・2倍」

熊本地域の地下水量「琵琶湖の水の3・2倍」 県、最新モデルで推計 871億トン 地表近くの帯水層にはうち100億トン  
熊本日日新聞 | 2023年10月3日 12:26


くまもと地下水財団の冬期湛水事業によって水が張られた大津町の水田=2023年2月(財団提供)
 熊本県は3日、県議会経済環境常任委員会で、「熊本地域の地下水量は琵琶湖(滋賀県)の貯水量の約3・2倍に当たる」との推計結果を示した。地下水位や地質情報のデータを反映させた最新のシミュレーションモデルを用いて計算したという。

 熊本大や公益財団法人くまもと地下水財団などと連携してモデルを構築。各データを基に3次元の地質構造を推測して地下水の流れを再現した結果、約871億トンの地下水があると結論づけた。

 これまで、熊本地域(熊本市など11市町村)の地下水量については、熊本大の嶋田純名誉教授が「琵琶湖の貯水量(275億トン=275億立方メートル)の約1・6倍とみられる」と指摘。今回、最新のデータを採用することにより、推計結果は約3・2倍に増えた。

 新たに示された推計では約871億トンのうち、約100億トンが、地下水に利用している地表に近い帯水層に貯留している。これは従来推計の1・7倍に相当。現在、水道水などとして、熊本地域で採取されている年間採取量の62年と半年分に当たる。残る約771億トンは深部の帯水層に存在するという。

 再現した地下水の流れによると、地下水流入量の約90%は雨水の涵養[かんよう]が占めている。降雨量によって大きく変動し、降雨量が少ない年は流入量が減り、流出量の方が上回る。

 県環境立県推進課は「安定的な流入量の確保に向けて、白川中流域などで取り組む人工涵養を拡大することが重要だ」としている。

 熊本地域の地下水を巡っては、製造過程で大量の水を使う半導体関連企業の集積による影響を懸念する声が上がる。菊陽町に進出する台湾積体電路製造(TSMC)の子会社JASMは、年間に採取する地下水と同等以上を涵養する考えを示している。(内田裕之)