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25年度から熊本市内全42中学、共通の制服も導入へ

25年度から熊本市内全42中学、共通の制服も導入へ 多様性配慮で選択肢 熊本市教委
熊本日日新聞 | 2023年10月26日 06:05

従来の学校の中間服で下校する熊本市の中学生。2025年度には市内共通の標準服が導入される=熊本市

熊本市教育委員会が児童生徒や保護者、教職員に実施した市内共通の制服に関するアンケート
 熊本市教育委員会は2025年度から、市内の全42中学校で共通の制服(標準服)の導入を目指している。各校の制服は残したままで、生徒はどちらも選べる。機能性や性の多様性の観点から生徒の選択肢を広げる狙い。

 熊本市中学校長会が21年度に市教委に提案し、検討を始めた。市教委によると、北九州市や神戸市など全国で同様の取り組みが増えている。

 熊本市教委は今年4月、市内の小学4~6年と中学生、保護者、中学校の教職員にアンケートを実施。現在の制服と共通の制服を選べることについて、「選べた方がよい」「どちらかと言えば選べた方がよい」と答えたのは計68%。「今のままでよい」「どちらかと言えば、今のままでよい」は計32%だった。

 共通の制服は、スラックス、スカート、キュロットスカートの3種類から選べる。冬服の上着は男女兼用のブレザーで、夏服はポロシャツとする。アンケートで、ブレザーの希望が半数に上ったことや先行自治体の導入例を踏まえた。

 市教委は、制服の色や柄を尋ねる2回目のアンケートを今月実施。結果を踏まえて年内に制服の基本仕様を決め、来年3月までにデザインを決定する。

 今年4月のアンケートでは、保護者から経済性に関して高い関心が寄せられており、市教委は「できるだけ価格を抑える配慮をする」としている。(元村彩)

●「女子もスラックスを」「動きやすいポロシャツに」 生徒ら要望多く

 熊本市内の中学校で共通の制服が導入される背景には、校則見直しの議論の過程で、生徒や保護者から制服に対する要望が多く上がったことがあった。

 市教委は2021年3月、髪の色など生まれ持った性質を制限したり、男女の区別を強制したりするような校則は必ず見直すよう求めるガイドラインを策定。校則を変える際には、児童生徒や保護者、教職員を議論に参加させることも求めた。

 市中学校長会によると、各校が議論を進める中、生徒らから「女子でもスラックスをはきたい」「動きやすいポロシャツにしてほしい」といった意見が寄せられたという。市教委によると、全42校のうち、男子はブレザー8校、詰め襟(学ラン)35校、女子はブレザー13校、セーラー服30校。一部併用している学校がある。

 制服は長く愛され定着している面もあるため、切り替えには地域との話し合いが必要で、時間や費用もかかる。校長会が立ち上げた「校則検討プロジェクトチーム」は21年8月、「市内共通の制服を作れば、既存の制服も尊重しながら生徒の選択肢を広げることができる。数量が多ければ、価格を低く抑えられる」と共通の制服導入を市教委に要望した。

 校長会によると、ガイドライン策定後は、各校で男女の区別なく制服を選べる理解が広がり、ジェンダーレスや機能性などの面から、スラックスを着用する女子生徒も増えている。ただ、スカートを好まない女子生徒が学ランを着るハードルは高く、中には体操服で過ごす生徒もいるという。

 校長会副会長で、同チーム委員長を務める花陵中の田口陽一校長(60)は「現状の制服に違和感を抱いていたり、悩んでいたりする生徒がいるかもしれない。選択肢を広げることで、気兼ねなく制服を着られる環境をつくりたい」と期待を込める。(元村彩)