南阿蘇鉄道、全線再開へ新車両走る 高森駅で納車式「国内外乗客の利用期待」
熊本日日新聞 | 2023年1月11日 09:53
根子岳を背景に2両編成で走る南阿蘇鉄道の新型車両「MT4000形」＝南阿蘇村
第三セクター南阿蘇鉄道（高森町）は10日、今年夏の全線再開に合わせて導入する新型車両「MT4000形」を試験走行し、お披露目した。
新型車両は新潟トランシス（新潟県）製で、昨年11月末に2両が高森駅に到着。
JR肥後大津駅（大津町）への乗り入れを想定し、走行位置や速度をコンピューターが監視して、速度超過時は自動的にブレーキが作動する最新の運転保安装置（ATS－DK形）を搭載している。
このほか、行き先表示を英語でも対応するほか、座席が対面式のボックス型から通路を挟んで対面するロングシート型に変わった。
高森駅であった納車式で、社長の草村大成高森町長は「国内外から多くの利用があることを期待している。安全安心な鉄道運行に努め、全線再開を目指したい」とあいさつ。白を基調とした爽やかな新型車両が、部分運行区間の高森－中松（南阿蘇村）間をゆっくりと往復した。
新型車両のデザインを考案し、この日の運転士も務めた同社の宍戸優介さん（25）は「既存車両とブレーキ方式が異なるので慣れが必要。乗客に快適な鉄道の旅を提供できるよう訓練を重ねたい」と意気込んだ。（上杉勇太）
