熊本産アサリ、関東で販売再開 産地偽装…１年２カ月ぶり 蒲島知事、都内で「純粋」ＰＲ
熊本日日新聞 | 2023年4月21日 17:19
首都圏での熊本県産アサリの販売再開を受け、消費者にアピールする蒲島郁夫知事と県漁連の藤森隆美会長（右）＝21日、東京都品川区
熊本県産アサリの販売が21日、首都圏で再開された。産地偽装問題を受けて昨年2月に出荷停止して以来、関東の店頭に並ぶのは1年2カ月ぶり。
東京都内のスーパーでは、蒲島郁夫知事と県漁連の藤森隆美会長が大消費地の買い物客に県産の魅力をアピールした。
県産アサリの販売再開は、QRコードを使って流通履歴を監視する県独自の熊本モデルを導入した昨年4月に県内から始まり、九州や関西方面まで拡大。
今季の漁獲が好調で、流通網が整ったことから、関東でもイオンリテール（千葉）の販売協力店126店舗を皮切りに再開した。
初日は品川区のイオンスタイル品川シーサイドで販売会があり、出荷停止前より3割高の100グラム当たり213円で販売。
くまモンと試食販売に立った蒲島知事は「純粋な県産アサリを関東に届けることができてうれしい」と話した。
神奈川県の主婦根岸英代さん（60）は「再開を待っていた」。
近くに住む60代の主婦は「偽装発覚後は腹も立ったが、取り組みの一生懸命さが伝わった。
もう一度信じてみたい」と手に取っていた。
同社は26日までに、北陸や信越地方を含む計171店舗で計3トンを販売予定。
19日時点の県の販売協力店は38都府県の1380店で、今後も需要に応じて販売エリアを拡大する。（中尾有希）
