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設置2カ月後に雨漏り、その後も複数回 JR上熊本駅前の落下屋根

設置2カ月後に雨漏り、その後も複数回 JR上熊本駅前の落下屋根 熊本市、原因究明急ぐも業者廃業
熊本日日新聞 | 2023年10月14日 17:32


7月の落下事故を受け、安全性が確認できない屋根の一部が撤去されたJR上熊本駅の歩行者通路。骨組みの鉄骨が残る=3日、熊本市西区

屋根の一部が落下したJR上熊本駅の歩行者通路(熊本市提供)
 今年7月に一部が落下したJR上熊本駅東口駅前広場(熊本市西区)にある歩行者通路の屋根が、設置からわずか2カ月後に雨漏りが発生し、それ以降も複数回確認されていたことが管理する熊本市への取材で分かった。今回の落下事故も完成後7年で起きており、当初から構造に問題があった可能性もある。

 落下したのは、駅舎と市電の電停を結ぶ全長143メートルの歩行者通路の屋根。アルミニウム製の部材(縦1・8メートル、横4・0メートル、厚さ0・1メートル、重さ100キロ)が高さ3・6メートルから落下した。当時通行人はおらず、けが人はいなかった。

 市は9月1~12日、安全性が確認できないとして事故のあった周辺の屋根95メートルを1400万円かけて撤去。現在、駅舎前の歩行者通路の一部は屋根がない状態になっている。

 市道路整備課によると、一帯の屋根は2016年3月に設置。部材は軽量で高強度とされた「ハニカム構造パネル」を採用した。景観やデザイン性を重視した造りで、整備費は2億7800万円。撤去した95メートルだけでも1億9千万円かかっているという。

 一帯の屋根は設置後2カ月で雨漏りして以降、市が複数回、雨漏りを確認。そのたびに施工業者(熊本市菊池市の2社による共同企業体)に補修を依頼してきた。今年5月の点検でも雨漏りが見つかったという。

 市は原因究明を進めようとしたものの、パネルメーカーが廃業し、製造中止していたことが18年12月に判明。内部構造に関する詳しい状況把握ができず、現時点で原因は不明。市は施工業者やアルミニウム建築構造協議会(東京)と連携して調査を続ける構えだが、雨漏りと屋根落下の関連性は「調査中」としている。

 市道路整備課の永田大治課長は「7年という短い期間で落下し、撤去や新たな屋根設置に多くの費用が発生したことを重く受け止めている」と話している。(上村彩綾)