masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

ラジオ文芸館 本物の恋 作:森 絵都

今朝のラジオ文芸館は 森 絵都作「本物の恋」でした。
でも、今朝はとてもきつくて起きられなく、ラジオが聞けませんでした。
よそ様のブログをそのままコピペしただけです。
私のブログを楽しみにしてられる方がいらっしゃいますので、強引に
写しました。

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「本物の恋」 作:森 絵都

主人公は、25歳の女性。
高校生のころ、ただ焦りを感じながら無理やり恋をし、傷つき、
それでも誰かを求めていた。
夏祭りの夜、別れるつもりの男友達とくりだすが、自分一人になったとき、一組のカップルが目に留まる。
幸せそうな二人の様子に毒づきながらもその場から立ち去れなくなった
主人公は、物陰からカップルを見つめ続けている一人の男性に気づく。
彼は痛々しいほど生々しげなまなざしでカップルに視線を送っていた…。

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八年前のたった一日のほんの一時をすごした相手に出会った。
彼は、「本物の恋してる?」と問い、「おめでとう」と、
お腹の大きな私を晴れやかに祝福した。
あのお祭りの夜から数年間、私はどこかで彼を捜し求めていた。
あれが最初の「本物の恋」だった、多分。
でも、今更、そんなことを彼には言えない。私にも彼にも恋人がいるのだ。

八年前、十七歳の私は、愛することも愛されることも知らなかった。
ただ寂しい奴だと思われたくないばかりにいつも誰かを求めていた。
そして痛い目に遭っていた。かわら祭りの夜もそんな日だった。

けれども、その日、私は偶然であった彼に「本物の恋」を見せつけられた。
彼は私の手をとり身持ちの幸せそうなカップルの後を追った。
「最後にしっかりと見納めておきたい」
「気持ちの整理をつけないと。じきに子供もうまれるしね」。
しばらくしてから、彼は、二人に祝福の言葉を贈った。
その時、私は彼の「いい人」恋人となっていた。
もう絶対彼らから見えないところにきた彼は、崩れ落ちるようにコンクリートの地面に膝をつき、泣き出した。
男の人にそんな姿を見たのは生まれて初めてだった。
私もこれほど烈しく誰かを愛してみたい。
遊びのような恋ではなくて、孤独をまぎらわすための彼ではなくて――
声を立てずに泣きながら、私は強く、強くそう思い続けたのだった。
あの時、あの場所で二人が出会ったのは、きっと偶然じゃなくて運命なんだわ。
彼はチズがいたから気持ちの整理ができたんだし、チズは彼の号泣する姿を見て、
「こんな恋がしたいと、泣きたいほど強く思った」から、本物の恋を待てるようになった。
こういう自分を変えるような出会いってその辺には転がってないからなぁ。
お互い幸せになれて良かったね。最初の方「過去訳アリだった男女が再開」って風に見せかけて、回想でかなり意外な方向に進むからびっくりしたわ。
最後のどんでん返し、ひねり、呆気にとられというか、笑えました。