トロッコ列車の姿、峡谷に戻る 南阿蘇鉄道 全線再開向け不通区間の試運転 地震７年
全線再開に向け、新たに架け替えられた第一白川橋梁を試運転する南阿蘇鉄道の観光トロッコ列車＝16日午前11時半すぎ、南阿蘇村（上杉勇太）
今夏の全線再開を予定する熊本県の南阿蘇鉄道（高森町）が、熊本地震以来、不通となっていた南阿蘇村の中松－立野間（10・6キロ）で試運転している。
本震から7年となる16日、名物の観光トロッコ列車が、新たに架け替えられた第一白川橋梁［きょうりょう］をゆっくりと走り抜けた。
同鉄道によると、試運転は10日に開始。レールのさびなどを防ぐ保線と運転士の訓練も兼ねて、車両や運転士を入れ替えながら毎日5往復している。
この日、車掌を務め、ようやく橋を渡ることができた2018年入社の玉目一将さん（29）は、「高さ60メートルある第一白川橋梁からの眺めは、南郷谷の田園風景と違う感動があった。多くの人に復興を感じてもらえるよう訓練に励みたい」。
新阿蘇大橋から試運転の様子を撮影していた熊本市北区の会社員男性は「全線再開時には撮るだけじゃなく乗りに行きたい」と話した。（上杉勇太）
