masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

熊本城の宇土櫓 復旧に向けた解体工事前に報道陣に公開

熊本城の宇土櫓 復旧に向けた解体工事前に報道陣に公開

熊本城の「第3の天守」とも呼ばれ、熊本地震で被害を受けた「宇土櫓」の内部が、復旧に向けた解体工事を前に報道陣に公開されました。
壁が崩れたり多くの柱や床が傾いたりするなど、被害の大きさが伝わります。

熊本城は、7年前の熊本地震で33のやぐらや塀が被害を受けました。

このうち「第3の天守」とも呼ばれ、天守閣から西側に位置する国の重要文化財の「宇土櫓」は、地上5階地下1階建ての木造建築物です。

地震で大きく損傷したため、一度解体してから復旧工事を行うことになっていて、このほど内部が報道陣に公開されました。

このうち地下1階は、地震前も一般には公開されていなかった場所です。

昭和2年に「宇土櫓」をすべてて解体して修理を行った際にコンクリートで補強されていますが、熊本地震のあと大きな亀裂が入っているのが見つかりました。

1階はいたるところで土壁がはがれています。

壁などを補強するために入れられている鉄骨も曲がっています。

鉄骨は、やぐらをすべてて解体して修理を行った際に入れられたということですが、こうした補強によって被害を小さくする効果があったとみられています。

柱は床から垂直にレーザーを当てると、上にいくほどずれていて、傾いていることが分かります。

さらに別の柱では、鉄骨をボルトで固定した部分で木材が裂けて折れていました。

また、床もところどころ傾いていて、場所によっては最大で26.5センチも下がっています。

2階は一部の床が抜けていて、近くの壁がはがれて落下し、穴が空いたものとみられています。

4階に上がると、地震によって屋根の一部である破風が大きく揺さぶられ、外側に引き抜かれるような形になり、内側に隙間ができていました。

最上階の5階からは、現在、雨や風を防ぐためやぐら全体を覆う「素屋根」と呼ばれる囲いを組み立てる様子が内側から見ることができます。

囲いの一部は透過性があるシートを使う予定で、熊本城の天守閣の最上階からは、解体されていく「宇土櫓」の様子をうっすらと見ることができるということです。

復旧に向けて「宇土櫓」を一度解体する理由について、熊本城総合事務所復旧整備課の田代純一技術主幹は「『宇土櫓』では柱や床の傾きなど下層部の構造部材の被害が特に多かった。このため、部分的な修繕では全体のゆがみを直すのは難しく一度解体することになった」と説明しています。

宇土櫓」は来年から2年かけて一度解体されたあと、設計作業などを経て、2032年度に復旧工事を終える予定だということです。

また、復旧に向けて作業とともに柱などの部材を調査することで、いまだはっきりとしていないやぐらの創建時期などについても調査を進めることにしています。