masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

ラジオ文芸館 朽木祥作「石の記憶」

今日は朝から曇り空でも、非常に蒸し暑いですね。
熊本の7月は異常な暑さでした。
30度以下が3日しかありませんでした。
平均気温が28.1度と暑いはずです。
日本一暑い館林や熊谷は、さぞかし暑かったでしょうと思って調べて
見ましたら、館林の平均気温は26.6度、熊谷で26.5度でした。
あれっと思いました。
今日のラジオ文芸館は、とても辛いお話でした。
テルノと光子があと1日早く疎開してれば、テルノは原爆の犠牲者に
ならなかったかも。
テルノは毎日貧しさの中で、母として睡眠を取らず、必死に働き
幸せを掴むことなく、戦争の犠牲者になってしまう。
光子は母の姿が、石段の黒い影として残っていたのを見て、
どんなにか辛かったでしょうか。
人の一生とは、必死に毎日働き暮らしたのが何だったのだろうか、
と思い知らせられる物語でした。

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「石の記憶」作:朽木 祥

昭和20年夏。光子は、母・テルノと二人、広島で暮らしている。
父は、南方の戦地へ向かう船が撃沈され亡くなったと聞かされた。
心細いくらしの中で、光子は父がひょっと帰ってくるのではないかと
夢想してみる。
広島の街には、近々おそろしい攻撃が加えられるという噂が流れ、
二人はようやく疎開を決める。
その旅立ちの前日、街の銀行に向うテルノの後ろ姿を見送ったのが、
二人の今生の別れとなってしまう。
壊滅した街の中で、光子はテルノの姿を探す。知り合いの老婆に、
「テルノは銀行の石段に座っていた」と聞かされ、走っていく。
しかし、銀行の石段に残っていたのは、小さな母の黒い影だった…。
原爆の投下から68年目の夏、その悲劇をあらためて心に刻む。

八月の光」(偕成社)所収 語り:中村 淳平