熊本市、市電延伸の議論を再開へ 6月議会に調査費4700万円
熊本日日新聞 | 2023年6月9日 16:39
熊本市電の車両＝同市中央区
熊本市の大西一史市長は9日の市議会運営委員会で、新型コロナ対策に人員や財源を優先的に使うために中断していた市電の延伸計画の議論について、6月定例会から再開すると表明した。開会する16日に提出する補正予算案に調査費4700万円を計上。延伸区間の利用予測や収支の見通しといった基本設計をまとめるための調査に充てる。
市電延伸のルートは健軍町電停から市民病院までの約1・5キロ。大西市長は「コロナの影響で公共交通を取り巻く環境が変化した。議論の再開と合わせ、基本設計の関連予算を計上する。議論をお願いしたい」と述べた。
環境の変化を受け、市は市電の需要や物価高騰による資材、人件費の上昇を加味。概算事業費を精査し、費用対効果を検証する。
コロナ禍に入る前の2020年度にまとめた試算では、道路中央に軌道を設けた場合、利用者が1日で2500人ほど増え、年間収支が約2500万円改善するとしていた。概算事業費は約135億円と見込んでいた。（河内正一郎）
