熊本市の庁舎問題。市執行部は２１日の市議会・特別委員会で庁舎整備に関する新たな『基本構想』の素案を明らかにしました。本庁舎の候補地はこれまでの表明と同じ４カ所。その候補地などをめぐって意見が交わされました。
２１日開かれた市議会・特別委員会で、市側は『新庁舎整備に関する基本構想・素案』を発表しました。
新たな『本庁舎及び議会棟』の候補地は、これまでの表明通り現庁舎のある手取本町、城東、ＮＴＴ桜町、白川公園の４つのエリア。
また現在本庁舎内にある『中央区役所』の候補地も同じ４エリアに加え、花畑町別館跡地、みずほ銀行としています。
市は候補地について今年秋ごろまでに決定する方針です。
また概算事業費については、設計費が２０億円、建設費が３６０億円現庁舎解体費９０億円を合わせ４７０億円としました。
この概算事業費について、市は今回、新たに財政負担の試算を公表。
『合併推進債』を活用すれば２９４億円となり、活用しない場合より１３６億円少なくなるととしました。
ただし『合併推進債』を活用するには来年度末までに実施設計に着手することが条件となります。
このため市は基本計画、基本設計、そして実施設計を一括して来年度末までに業者と委託契約を結ぶ方針を示しています。
２１日開かれた市議会・特別委員会、委員からは、２１日示された市の新たな基本構想の内容にこれまでの発表からほとんど進展がないとする声が上がりました。
【高本 一臣 委員（熊本自民）】
「合併推進債を使うからタイトなスケジュールを組んでいるんでしょ？（前回特別委から）１カ月以上もたっているのに示す内容が変わらないのは大丈夫かなと思う」
【熊本市 村上 英丈 総括審議員】
「各候補地のメリットとデメリットを検討しながら、それぞれの事業者とスピード感をもって対応したい」
一方、候補地の一つをめぐってこんな意見も。
【斎藤 博 委員（自民）】
「白川公園は候補となっているが、都市公園であり、現実的に可能なのか」
【上野 美恵子 委員（共産）】
「防災上も、熊本地震のとき地域の人に活用された経緯も含めるなら、白川公園をこのプランに上げたこと自体が難しいと思う」
委員会終了後、政策局の田中局長は白川公園についてこのように述べました。
【田中 俊実 政策局長】
「白川公園を（候補地から）除外ではなく、仮に除外するとしても検証して調査は実施したい」
また、市は２１日、市民説明会について４月２０日から５月１２日までの間で、各区２回ずつ開くとする予定も明らかにしました。
