masami71の日記

熊本市在住の72歳の年金暮らしです

みんなのうた アスナロウの木

みんなのうた 「アスナロウの木」は一度聞きますと、また聴きたいと思う心にしみる歌です。
宮城県気仙沼市の離島、大島出身の詩人で児童文学者、水上不二(みずかみふじ)の詩「アスナロウの木」に東京の作曲家が曲を付け、NHKの「みんなのうた」で八月と九月に全国放送されてます。
東日本大震災の被災地ボランティアの輪の中から生まれた曲で、復興への思いを込めた。
「全国からの支援へのお礼を、歌声で届けたい」と、同市大島小学校の児童らがコーラスに参加した。(五十住和樹)

水上さんは故郷の大島を「緑の真珠」と呼んで愛した。
詩集「ぼくは地球の船長だ」に「アスナロウの木」という詩がある。
根を伸ばし、葉を広げて自ら大きく育つアスナロウの木が、周囲に明るさや希望を振りまく姿を歌っている。
震災直後から大島で支援を続けている埼玉県三郷市NPO法人代表理事保田全(あきら)さん(72)が、水上さんの詩を曲にして歌えたらと昨年五月、東京の音楽プロデューサー秋田新一郎さん(65)に詩集を送った。
秋田さんは「復興への思いを乗せた未来志向の詩はこれしかない」と、アスナロウの木を選択。
秋田さんのバンド「団塊の世代へ贈る唄」メンバーで、ギタリスト梅垣達志さん(68)が作曲した。
ゆったりしたテンポで、子どもからお年寄りまでが口ずさめるメロディーに仕上がった。
同年八月、保田さんらが大島で企画した支援コンサートでこの曲を島民に披露。
気仙沼だけでなく全国の人に歌ってほしい」と、秋田さんらがNHK側に打診し、総合とEテレなどで連日放送される「みんなのうた」として制作された。
レコーディングは昨年十一月からスタート。
ボーカルや演奏は秋田さんのバンドメンバーらが担当した。
今年五月九日、大島小五、六年生二十五人全員がコーラスを録音。
二分二十秒の曲の画面では、歌う児童らの表情や大島の美しい風景が流れる。

アスナロウの木

あのアスナロウの木をごらん
光って立っているだろう。
こずえに鳥をとまらせて、
しずかに笑っているだろう。
土にぐんぐん根をのばし、
雲のそばまで葉をひろげ、
雨ともやさしく話しあい、
夜はお星をやどらせて、
太陽のなか、風のなか、
じぶんでじぶんをつくってく。
“あすへ、あすへ”と、すくすくと、
じぶんを大きく育ててく。
いまに、においもほのぼのと、
ことしの花が咲くだろう。
やがて、みごとな建てものや、
りっぱな船になるだろう。
なんと三十二メートル、
きのうはかった、あの高さ。
じっと見てると、ひとりでに、
心があかるくなってくる。
ああ、アスナロウ、アスナロウ、
ぼくらもあんな木になろう。


 <水上不二> 1904年、気仙沼大島生まれ。
児童文学者でもあり、北原白秋に影響され、37年に詩人のまど・みちおが同人として参加した童謡雑誌「昆虫列車」を刊行した。
気仙沼市の小中学校8校の校歌を作詞。
65年に死去するまで、数百編の詩と数多くの童話を書き残した。